
タスマニア州のグレート・イースタン・ドライブを行く5日間
シーフードやワインから緑豊かな熱帯雨林や白砂のビーチまで、タスマニア州東海岸の素晴らしさを味わいましょう。
原文:アリッサ・ジェンキンス
見どころが満載のこのドライブでは、タスマニア州で最高に美しい原生地域を訪ねます。ホバートからスタートして、壮大な国立公園の中を幻想的な海岸線に沿って北上し、ベイ・オブ・ファイアー(Bay of Fires)を目指します。
見どころ
- 新鮮なベリー類、シーフード、ワインなど、地元の食材を味わう
- ビチェノで、希少種のタスマニアン・デビルを見る
- ワイングラス・ベイなど、タスマニア州で最も美しい海岸線をハイキングする
基本データ
- 日数:5日間
- 距離:300km
- 移動手段:車
- 最寄りの主要都市:ホバート
- 料金:$$$$
1日目:ホバートからマリア島国立公園を経由してオーフォードへ

タスマニア州、オーフォード、スプリング・ビーチ © East Coast Regional Tourism Organisation, Lisa Kuilenburg
ホバートからタスマン・ハイウェイ(Tasman Highway)を北へ1時間走ってトリアブーナ(Triabunna)まで行き、フェリーで30分の美しいマリア島(Maria Island)で一日過ごします。お店も車もないこの島は本当に静かで、ブッシュウォーキングや野生動物の観察に最適です。タスマニアの囚人の歴史を垣間見ることもできます。選ぶのに迷うほどたくさんのハイキングコースがありますが、一日で島をひととおり見て回る最も簡単な方法は、イースト・コースト・クルーズ(East Coast Cruises)のガイドツアーに参加することです。ツアーは11月から4月まで実施されていて、マリア島の素晴らしい海岸線に沿って島を一周する遊覧クルーズ、ペインテッド・クリフス(Painted Cliffs)とフォッシル・クリフス(Fossil Cliffs)見学、世界遺産に登録されているダーリントン囚人居住地(Darlington convict settlement)の2時間のウォーキング、そしてタスマニア産の食材やワインを使ったおいしいランチがセットになっています。島にたくさんあるビーチで泳いだりシュノーケリングを楽しんだりすることもできます。島の北側にある海洋保護区ではスキューバダイビングも人気があります。タスマニア本島に戻ったら、プロッサー川(Prosser River)沿いのチャーミングなホテル、オーフォード・リバーサイド・コテージ(Orford Riverside Cottages)に泊まりましょう。広々とした木製デッキで楽しむバーベキューが大人気です。
2日目:オーフォードからスワンシーへ

タスマニア州、スワンシー、スワンシーの海岸線 © Rob Burnett, Tourism Tasmania
今日はまず、スリー・サムズ・トラック(Three Thumbs Track)をたどってウィーランタ・フォレスト(Wielangta Forest)のブッシュウォーキングに出かけましょう。これはユーカリの森や温帯雨林の中を通り抜ける一周4kmのコースで、オーフォード(Orford)やスプリング・ベイ(Spring Bay)、沖合のマリア島の素晴らしい眺望を楽しめます。その後は、海岸線をドライブして景色を楽しみながら、北へ約1時間半のフレシネ半島(Freycinet Peninsula)に向かいます。白砂のビーチとピンク色の花崗岩の峰で知られています。ケーツ・ベリー・ファーム(Kate’s Berry Farm)に立ち寄って、かごに盛ったベリー類や人気のあるチョコレートを選んだら、ミルトン・ヴィンヤード(Milton Vineyard)など地元のワイナリーを訪ねて代表的なピノ・ノワールやリースリングを味わってみましょう。午後は、絵画のように美しいメイフィールド・ベイ沿岸保護区(Mayfield Bay Coastal Reserve)でスイミングやサーフィン、ダイビングを楽しむか、モールティング・ラグーン(Moulting Lagoon)の湿地帯で黒鳥やペリカンの飛来を観察するのもおすすめです。夜はB&Bに泊まりましょう。たとえばレッドクリフ・ハウス(Redcliffe House)では、5つのゲストルームからお好きな部屋を選べます。
3日目:スワンシーからフレシネ国立公園へ

タスマニア州、フレシネ国立公園、ワイングラス・ベイ © Graham Freeman, Tourism Tasmania
カメラを持ち、ありったけの元気を奮い起こして、ワイングラス・ベイ(Wineglass Bay)を一日かけてぐるりと一周するアウトドアアドベンチャーに出かけましょう。タスマニア州で絶景が見られる場所の1つ、ワイングラス・ベイ展望台(Wineglass Bay Lookout)を出発して、ワイングラス・ベイ・アンド・ハザーズ・ビーチ・サーキット(Wineglass Bay and Hazards Beach Circuit)を歩きます。ハザーズ山脈(Hazards mountain range)の一部を回ってからビーチに降り、洞窟や湿地帯を探索してから頂上に戻る11kmのコースです。その後は、湾の中でカヤックやシュノーケリング、スキューバダイビングを楽しむか、フレシネ半島の反対側に広がる穏やかなハネムーン・ベイ(Honeymoon Bay)で泳ぐのはいかがでしょう。宿泊は、フレシネ半島に数多い隠れ家的高級ホテルに泊まってみましょう。キッチン付きの豪華な部屋が8室あるフレシネ・エコ・リトリート(Freycinet Eco Retreat)や、ホテル内の素敵なレストランで新鮮なシーフードや地元のワインを堪能してから設備の整った客室で休めるフレシネ・ロッジ(Freycinet Lodge)がおすすめです。贅沢な雰囲気をお求めなら、受賞歴のあるサファイア・フレシネ(Saffire Freycinet)はいかがでしょう。食事と温泉付きのスイートルームでくつろげます。
4日目:フレシネ国立公園からセント・ヘレンズへ

タスマニア州、ビチェノ、イースト・コースト・ネイチャーワールド © Rob Burnett, Tourism Tasmania
家族連れが休暇を過ごすのに最適のビチェノ(Bicheno)までは、北へ約40分のドライブです。イースト・コースト・ネイチャーワールド(East Coast Natureworld)では、この地方の貴重な野生動物に出会えます。60ヘクタールに及ぶ自然の草原とラグーンには、タスマニアン・デビル、フクロネコ、コアラ、各種のヘビやオウムが生息しています。さらに北上を続け、渓谷や滝、ブッシュウォークが点在するダグラス・アスプリー国立公園(Douglas-Apsley National Park)に寄り道してアスプリー・リバー・ウォーターホール(Apsley River Waterhole)でひと泳ぎ。泳いだ後は、マウント・エレファント・パンケーキ(Mount Elephant Pancakes)でエネルギーを補給しましょう。ヨーロッパ風のスイーツや食欲をそそるパンケーキメニューが充実しています。午後は、魅力的な漁村、セント・ヘレンズ(St Helens)でお店やギャラリーを見て歩きます。町から歩いて、または車で、サンドボーディングの一大スポット、ペロン砂丘(Peron Dune)に行くのもおすすめです。夜は、ペリカン・ポイント・サンクチュアリ(Pelican Point Sanctuary)の可愛らしいコテージか現代風のヴィラに泊まりましょう。
5日目:セント・ヘレンズからベイ・オブ・ファイアーへ

タスマニア州、ベイ・オブ・ファイアー、ビナロング・ベイ © Pete Harmsen, Tourism Tasmania
セント・ヘレンズ・ヒストリー・ルーム(St Helens History Room)を訪ねると、ジョージ・ベイ(Georges Bay)の先住民アボリジニから捕鯨船の乗組員、水夫、スズ鉱山で働いていた中国人鉱夫まで、この地方の過去の暮らしが鮮やかによみがえります。さらに北へ20分走ると、リゾートタウンのビナロング・ベイ(Binalong Bay)に着きます。ベイ・オブ・ファイアー(Bay of Fires)の玄関口に当たるこの街には、素朴なランチスポットがたくさんありますが、リッチェン・レストラン&カフェ(Lichen restaurant and cafe)でお腹をいっぱいにする前に、リース65オイスター・ファーム(Lease 65 Oyster Farm)に立ち寄って生ガキを賞味するのをお忘れなく。食事の後は、ザ・ガーデンズ(The Gardens)の午後のクルーズに参加して、ベイ・オブ・ファイアー(Bay of Fires)の南の端を見に行きます。毎年決まった時期になると、ここにはクジラやオットセイ、アシカ、イルカがやって来るのです。次はマウント・ウィリアム国立公園(Mount William National Park)です。海岸沿いの遊歩道を歩きながら、絶景を楽しみましょう。4日間のベイ・オブ・ファイアー・ロッジ・ウォーク(Bay of Fires Lodge Walk)がおすすめですが、時間が限られている人には、マウント・ウィリアム・サミット・ウォーク(Mount William Summit walk)がよいでしょう。往復90分のコースで、海岸線のパノラマや、この地方特有の赤い苔で覆われた巨石群、そしてはるか沖合にはバス海峡島嶼群(Bass Strait islands)を眺めることができます。旅の最後はタスマニア独特のビーチハウスに泊まりましょう。現代風のベル・ビュー・ビーチ・ハウス(Belle Vue Beach House)、シー・イーグル・コテージ(Sea Eagle Cottage)、ベイ・オブ・ファイアー・シーチェインジ(Bay of Fires Seachange)など、いずれも素晴らしいオーシャンビューが楽しめます。